歯科情報

抜歯後の歯磨き|出血・うがい・食事の注意点を歯科衛生士が解説

抜歯後の歯磨きのポイントや出血・うがい・食事の注意点を現役歯科衛生士が分かりやすく解説。抜歯後の正しいセルフケアをまとめたブログアイキャッチ画像

親知らずや虫歯などで歯を抜いた後、

  • 「歯磨きしても大丈夫?」
  • 「血が出ているけど大丈夫?」
  • 「うがいはどのくらいしていいの?」
  • 「ご飯は普通に食べていい?」

と不安になる方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、抜歯後も歯磨きは必要です。ただし、傷口を守ることと口の中を不潔にすることは別問題なので、抜歯した部分は避けながら、他の歯は普段通り磨くのが基本です。

この記事では、現役歯科衛生士の視点から抜歯後の歯磨きや食事、うがいのポイントについてわかりやすく解説します。

抜歯後も歯磨きは必要?

結論から言うと、抜歯後も歯磨きは必要です。

「傷口があるから歯磨きしない方がいいのでは?」と思う方もいますが、傷口を守ることと口の中を不潔にすることは別問題です。

歯磨きをせずにいると、プラーク(歯垢)が増え、口の中の細菌も増えてしまいます。

抜歯した部分は無理に触らず、他の歯は普段通り丁寧に磨きましょう。


抜歯当日の歯磨きのポイント

抜歯当日は次のことを意識しましょう。

  • 傷口付近は無理に磨かない
  • 歯ブラシを強く当てない
  • 他の歯は普段通り磨く

傷口に歯ブラシが当たるのが不安な場合でも、他の歯まで磨かなくなる必要はありません。

口の中を清潔に保つことも大切です。


うがいはどのくらいしていい?

抜歯後に強いうがいをするのは避けましょう。

抜歯した穴には血餅(けっぺい)と呼ばれる血の塊ができ、傷口を守っています。

強いうがいを繰り返すと血餅が取れてしまい、「ドライソケット」という状態になることがあります。ドライソケットとは、傷口を守っているはずの血餅が失われ、骨がむき出しになってしまう状態のことです。強い痛みが長引く原因になるため、注意が必要です。

うがいをする場合は、軽く水を含んでそっと吐き出す程度がおすすめです。目安として、抜歯当日〜半日程度は特に強いうがいを避けるのが安心です。


血餅を守るために避けたいこと

強いうがい以外にも、血餅がはがれやすくなる行動があります。抜歯当日〜数日は、次のことに気をつけてみてください。

  • 激しい運動を避ける
  • 飲酒を控える
  • 長風呂を避け、シャワー程度にする
  • 喫煙を控える
  • ストローの使用を避ける

運動・飲酒・長風呂は血行が良くなることで出血しやすくなり、喫煙は逆に血流を悪くして治りを妨げます。また、ストローで吸う動作は口の中に陰圧がかかり、血餅を引っ張ってはがしてしまうことがあるため、飲み物はコップから直接飲むようにしましょう。


抜歯後に血が出たらどうする?

抜歯後は唾液に血が混じることがあります。

少量の出血であれば慌てる必要はありません。

出血が気になる場合は、清潔なガーゼやティッシュを丸めてしっかり噛み、圧迫止血を行いましょう。

それでも出血がなかなか止まらない場合は、抜歯を行った歯科医院へ連絡してください。鎮痛薬が効かないほどの激しい痛みが3日以上続く場合や、傷口から悪臭がする・膿が出ている場合も、自己判断せず早めに歯科医院へ相談しましょう。


抜歯後の食事について

抜歯後は無理に食事を我慢する必要はありません。

ただし、麻酔が効いている間(目安として2〜3時間程度)は唇や頬を噛んでしまうことがあるため注意が必要です。

また、熱すぎるものや刺激の強いものは傷口に負担がかかることがあります。

食べられるものを無理なく食べて、しっかり栄養を摂りましょう。


抜歯後の穴に食べ物が詰まったら?

親知らずなどを抜いた後は、しばらく穴が残ることがあります。

そのため、ご飯粒などの食べ物が詰まることは珍しくありません。

気になるからといって、指や爪楊枝で無理に取ろうとするのは避けましょう。

傷口を傷つけたり、治りが遅くなる原因になることがあります。

傷が落ち着いてきたら、軽いうがいで自然に取れることもあります。傷口が落ち着くまでの目安は約1ヶ月、骨が完全に埋まるまでは3〜6ヶ月程度かかることが多いとされています。しばらくは食べ物が詰まりやすい時期だと考えておくと安心です。


うがい薬は使った方がいい?

歯科医院によっては、抜歯後やインプラント手術後にうがい薬が処方されることがあります。

うがい薬は口の中を清潔に保つ補助として使用しますが、歯磨きの代わりになるわけではありません。

使用方法は歯科医院の指示に従いましょう。

抜歯後の傷口も、口内炎と同じように”粘膜のケア”という点では共通しています。普段から口内炎ができやすい方は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。


歯科衛生士えくうすの親知らず体験談

僕自身、親知らずを4本中3本抜歯した経験があります。

特に下の親知らずは横向きに生えており、骨を削りながら取り出す処置でした。

しかも上下同時に抜歯したため、麻酔が切れた後はかなり痛かった記憶があります。

顎も痛くなり、アイス枕で冷やしながら安静に過ごしていました。

また、抜歯した部分にご飯粒が詰まるのが地味にストレスでした(笑)

当時は強いうがいをするのも怖く、軽く口をゆすぐ程度にしていました。

親知らずはもともと磨きにくく、歯ぐきも腫れやすかったのですが、虫歯にはしたくなかったので一生懸命磨いていました。

時間とともに穴も徐々に塞がり、今ではほとんど気になりません。


まとめ

  • 抜歯後も歯磨きは必要
  • 傷口は避けながら清潔を保つ
  • 強いうがいはドライソケットの原因になるため避ける
  • 運動・飲酒・長風呂・喫煙・ストロー使用も控える
  • 出血時は圧迫止血を行う
  • 食べられるものを食べて栄養を摂る
  • 激痛や悪臭・膿がある場合は歯科医院へ相談する

抜歯後は不安になることも多いですが、正しいケアを行えば徐々に落ち着いていきます。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。


参考・引用