歯科衛生士の働き方歯科衛生士の日常・体験談

【体験談】男性歯科衛生士のリアル|学校生活・就職・将来性

男性歯科衛生士のリアルな体験談|専門学校で男性1人だった学校生活や就職、男性歯科衛生士の将来性を解説したブログアイキャッチ画像

「男性でも歯科衛生士になれるのかな」「女性ばかりの環境でやっていけるだろうか」と、進路として気になっているものの、一歩を踏み出せずにいる方もいるのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、男性でも歯科衛生士になることはできます。歯科衛生士は国家資格であり、養成校を卒業して国家試験に合格すれば、性別に関係なく働くことができます。

僕自身、専門学校時代は43人中男性1人という環境で学び、卒業後は現役の歯科衛生士として働いています。本業に加えてスポット勤務(ハノワ)やブログ運営にも取り組み、男性歯科衛生士としての経験を発信しています。

この記事では、学生時代と社会人になってからの2つの視点で、男性歯科衛生士としてのリアルを実体験ベースでお話しします。

男性でも歯科衛生士になれる?【結論】

厚生労働省の「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、全国で就業している歯科衛生士は149,579人です。年々就業者数は増加しており、多くは歯科診療所で活躍しています。

項目データ
全国の歯科衛生士就業者数149,579人(令和6年)
男性歯科衛生士の割合全体の約0.4%(令和7年発表)
養成校に通う男子学生数105名(令和7年)/平成28年は32名で約3.2倍に増加
僕が通った専門学校の男女比43人中男性1人

数としては今もかなりの少数派ですが、養成校に通う男子学生数はこの10年で約3.2倍に増えており、少しずつ選択肢として広がってきているのも事実です。

ただし、少数派だからこそ不安を感じる方も多いでしょう。

  • 男性は専門学校で何人くらいいるの?
  • 女性ばかりの環境でもやっていける?
  • 就職先はある?
  • 将来性はある?

実は、僕も高校生の頃はまったく同じことを考えていました。その不安が現実になるとは、この時はまだ思っていませんでした。

僕が歯科衛生士を目指した理由だけでなく、一度一般企業を経験したことで改めて感じた歯科衛生士という仕事の価値については、こちらの記事でも詳しくまとめています。


僕が男性で歯科衛生士を目指した理由

僕が歯科衛生士を目指した理由は、とてもシンプルです。

「手に職をつけて、人と関わる仕事がしたい。」

高校生だった当時は、将来やりたい仕事が明確に決まっていたわけではありませんでした。

ただ、「資格があれば将来の選択肢が広がる」と考え、さまざまな専門学校の説明会に参加していました。

幼稚園の先生や保育士、介護福祉士など、人と関わる仕事にも興味がありましたが、その中でも歯科衛生士に惹かれたのは、赤ちゃんから高齢者まで幅広い年代の方と関われる仕事だったからです。

もともと人と話すことは好きでしたし、自分が行ったケアによって「ありがとう」と直接感謝してもらえる仕事にも魅力を感じました。

もちろん、人の健康に関わる仕事なので責任もあります。それでも、「誰かの役に立てた」と実感できる瞬間があることは、今でも歯科衛生士を続けていて良かったと思える理由の一つです。

一方で、説明会に参加した時から気になっていたこともありました。

「男性、ほとんどいないな……。」

その不安が現実になるとは、この時はまだ思っていませんでした。


【学生時代】専門学校は43人中男性1人だった

実際に入学してみると、僕のクラスは43人中男性は僕1人だけ!(笑)

他の学年を見渡しても、男性は1人いるかいないかという状況で、学校全体でも本当に少数派でした。

入学前から「男性は少ないだろうな」と思っていましたが、ここまで少ないとは正直想像していませんでした。

最初は不安しかなかった

一番不安だったのは、やはり女性ばかりの環境に馴染めるのかということです。

「3年間ちゃんとやっていけるかな」「友達はできるかな」と、入学したばかりの頃は毎日のように考えていました。

実は、その不安は卒業するまで完全になくなることはありませんでした。

勉強や実習で悩んだ時も、同じ男性がいないので気軽に愚痴を言える相手がいません。自然と女子に話しかけるしかなく、「男だから」というより、一人のクラスメイトとして接してもらっていた感覚があります(笑)。

相互実習は正直気まずかった

専門学校の授業では、お互いの口の中を見合う「相互実習」があります。

正直に言うと、これはかなり気まずかったです。男性が自分一人だったので、「申し訳ないな」という気持ちがずっとありました。

ただ、今振り返るとクラスの女の子たちが自然に接してくれて、本当に恵まれた環境だったと思います。「身長高いから高いところ取って(笑)」など、気軽に頼られることもありました。そうした何気ないやり取りのおかげで、気まずさよりも安心感の方が大きくなっていったのを覚えています。

クラスメイトに恵まれた3年間

専門学校生活は、総合的に見てとても楽しかったです。

特に社会人経験のある年上のクラスメイトは、自然に声をかけてくれたり、一緒にお昼を食べたり、勉強を教えてくれたりと、本当に優しく接してくれました。放課後に一緒に遊んでくれるクラスメイトや、ご飯に誘ってくれる社会人経験者の友達もいて、人間関係にはとても恵まれていたと思います。

忙しい専門学校生活の中でも、地元の友達とは変わらず遊んでいました。学校では女性ばかりの環境でしたが、プライベートまでその環境一色になっていたわけではなかったのも、気持ちの支えになっていたように思います。

そのおかげで少しずつクラスにも馴染み、気付けば普通に話しかけてもらえるようになっていました。卒業した今でも、「本当にいいクラスに恵まれたな」と思っています。もしあの3年間が違う環境だったら、今の自分はいなかったかもしれません。

実習の先生は厳しくも優しかった

実習でお世話になった先生は、厳しくもあり、優しくもある方でした。

「男なんだからしっかりしろ」という、期待を込めたような接し方をされることもありました。当時は少しプレッシャーに感じることもありましたが、今振り返ると、それだけ本気で向き合ってもらえていたのだと感じています。

入学前の不安実際に感じたこと
男性は浮いてしまうのでは?最初は不安だったが、クラスメイトに恵まれ少しずつ馴染めた。
友達ができるか心配社会人経験のあるクラスメイトが声をかけてくれ、安心して学校生活を送れた。
相互実習は大丈夫か気まずさはあったが、クラスの女の子たちが自然に接してくれた。
女性ばかりの環境でやっていける?卒業まで不安はあったが、自然とコミュニケーション能力が身についた。

国家試験前日、緊張よりカラオケを選んだ話

国家試験の2日前は、緊張して眠れなくなるくらいならと、友達とカラオケでオールしました。

試験会場が千葉だったため、埼玉から当日向かうリスクを避けて前泊することにしていました。オールしたおかげで、ホテルではぐっすり眠れました(笑)

会場に入ると、周りはほとんど女性ばかりで、その光景に少しプレッシャーを感じたのを覚えています。同級生の女の子たちはかなり緊張していたので、「楽しむ勢いで挑もう!」と声を掛けていました。自分自身の緊張をほぐす意味でも、周りを励ますことが役に立っていたのかもしれません。

男性1人だったからこそ得られたもの

43人中、男性は僕1人。正直に言うと、楽だったとは思いません。

勉強や実習で悩んでも、同じ立場の男性がいないので気軽に相談できる相手はいませんでした。だからこそ、自分からクラスメイトに話しかけるようになり、自然とコミュニケーションを取る機会が増えていきました。

その経験を通して、僕が一番成長できたと感じているのはコミュニケーション能力です。女性が多い環境だからこそ、相手との距離感や接し方、場の空気を読む力が自然と身につきました。

実際に歯科医院へ就職してからも、患者さんへの声かけやスタッフとの連携など、人と関わる場面は毎日のようにあります。学生時代に身についたコミュニケーション力や距離感は、今の仕事にも大きく活きています。

社会に出れば、性別よりも「仕事ができるか」「信頼されるか」の方がずっと大切だと実感しています。

専門学校を辞めたいと思ったことは一度もない

不安や気まずさはありましたが、専門学校を辞めたいと思ったことは一度もありませんでした。

理由はシンプルで、「せっかく入学したのにもったいない」という気持ちが強かったからです。

ただし、「向いていない」と思ったら無理に続ける必要はないとも考えています。転職と同じで、自分に合った道へ進むことも大切だと思います。たまたま僕の場合は、合わないと感じる前にクラスメイトや先生に恵まれ、最後まで走り切ることができました。


【社会人時代】卒業後はどうだった?男性歯科衛生士のリアル

結論から言うと、僕は卒業後に歯科医院へ就職し、現在も現役の歯科衛生士として働いています。

学生時代は「男性でも就職できるのかな」と不安に思うこともありましたが、その心配は就職してから自然となくなりました。

実際に働き始めると、患者さんやスタッフから性別について聞かれることはあっても、仕事そのものは男女関係なく評価されます。大切なのは、男性か女性かではなく、患者さんに信頼される歯科衛生士であることです。

また、男性歯科衛生士には、こんな強みがあるとも言われています。

  • 長期的に安定して働きやすい(結婚・育児休暇はあっても、出産による休職・退職がほとんどない)
  • 男性患者さんからのニーズもある(「女性に口の中を見られるのが恥ずかしい」と感じる患者さんもいる)

数は少なくても、こうした点から男性歯科衛生士を求めている歯科医院や患者さんも一定数いると感じています。

また、歯科衛生士として経験を積んだ今では、本業だけでなくスポット勤務サービス「ハノワ」でも働いています。さらに、このブログでは男性歯科衛生士としての経験を発信したり、資格の勉強を続けたりと、自分なりに活動の幅を広げています。

以前には歯科関連メーカーで働く男性歯科衛生士の方とお話しする機会もあり、歯科医院以外にも活躍できる道があることを実感しました。

もちろん男性歯科衛生士はまだ少数ですが、その分、活躍できる場や新しい働き方の可能性は今後さらに広がっていくと感じています。

男性歯科衛生士の平均年収や給料事情、将来の収入について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

活躍できる主なフィールド

男性歯科衛生士はまだ少数ですが、活躍できる場所は歯科医院だけではありません。歯科衛生士として身につけた専門知識は、臨床だけでなく企業や教育など、さまざまな分野で活かせる可能性があります。

  • 歯科医院(一般歯科・小児歯科・矯正歯科など)
  • 訪問歯科
  • スポット勤務(ハノワなど)
  • 歯科関連メーカー・歯科材料メーカー
  • 歯科衛生士養成校などの教育機関
  • 企業での営業・インストラクター

もちろん、すべての道が誰にでも開かれているわけではありません。しかし、経験を積みながら資格や知識を身につけることで、働き方の選択肢は広がっていきます。僕自身も現在は、本業に加えてハノワやブログ運営に取り組みながら、FP3級・メンタルヘルスマネジメント検定・臨床歯科麻酔認定歯科衛生士など、新しい知識を学び続けています。

僕は、男性歯科衛生士だから特別なのではなく、「歯科衛生士として信頼される人」が男女問わず増えていってほしいと思っています。その中で、男性歯科衛生士という選択肢がもっと身近なものになれば嬉しいです。

歯科衛生士は「やめとけ」と言われるけれど、僕がそう思わない理由

インターネットで「歯科衛生士」と検索すると、「やめとけ」という言葉を目にすることがあります。しかし、僕自身は歯科衛生士を目指したことを後悔したことはありませんし、「やめとけばよかった」と思ったこともありません。

もちろん、大変だったこともあります。特に印象に残っているのは、実習期間中の毎日のレポートです。「今日は何を書こう……」と内容に悩むことも少なくありませんでした(笑)。ただ、こうした実習やレポートは歯科衛生士だけが特別というわけではなく、多くの医療系・専門職の養成校でも経験することだと思います。

学費を出してくれた親への感謝もあり、「途中で辞める」という選択肢は最初からありませんでした。まずは国家資格を取得すること。それが学生時代の一番の目標でした。

卒業後、僕は一度歯科業界を離れ、一般企業で働いた時期があります。その経験をした今だからこそ、歯科衛生士の資格は「一生もの」だと実感しています。もし資格を取得していなかったら、今の働き方はできていなかったかもしれません。だから僕は、「歯科衛生士はやめとけ」とは思いません。

一度歯科衛生士を辞めた僕が、それでも再びこの仕事に戻ることを選んだ理由については、こちらの記事で詳しくまとめています。


男性で歯科衛生士を目指すか迷っている人へ

ここまで読んで「自分にもできるかもしれない」と思った方に向けて、次に何をすればいいか、僕なりの考えをまとめます。

  • これから進路を決める方:まずは養成校のオープンキャンパスや説明会に足を運び、実際に男子学生が何人くらい在籍しているか、雰囲気を自分の目で確認してみてください
  • すでに養成校に通っていて不安な方:不安は卒業まで完全にはなくならないかもしれません。それでも、相談できる相手を1人でも見つけられれば、乗り越えられることが多いです
  • 資格を取ったが就職に不安がある方:性別よりも「信頼されるか」が評価される世界です。歯科医院・訪問歯科・企業など、就職先の選択肢も一つに絞り込みすぎないことをおすすめします
  • 「向いていないかも」と感じている方:無理に続ける必要はありません。ただ、その判断は焦らず、信頼できる先生や先輩に相談してから決めても遅くはないと思います

よくある質問(FAQ)

男性でも歯科衛生士になれますか?

はい、なれます。歯科衛生士は国家資格のため、性別に関係なく養成校を卒業し、国家試験に合格すれば歯科衛生士として働くことができます。

男性歯科衛生士は何人くらいいますか?

男性歯科衛生士はまだ少数派で、令和7年発表のデータでは全体の0.4%程度とされています。僕が通っていた専門学校でも43人中男性は僕1人でした。ただ、養成校に通う男子学生数はこの10年で約3.2倍に増えており、少しずつ増加傾向にあります。

男性でも就職できますか?

僕自身も卒業後に歯科医院へ就職し、現在も現役の歯科衛生士として働いています。就職後は性別よりも、知識や技術、患者さんとのコミュニケーションが大切だと感じています。

男性歯科衛生士の年収はどれくらいですか?

年収は勤務先や地域、経験年数によって異なります。僕自身の年収や給与・賞与の推移は別の記事で公開していますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

男性歯科衛生士に将来性はありますか?

歯科衛生士は人材不足が続いており、歯科医院だけでなく訪問歯科や企業、歯科関連メーカーなど活躍の場は広がっています。また、長期的に安定して働きやすいという特徴もあり、今後は男性歯科衛生士という選択肢も、さらに身近になっていくと僕は考えています。


まとめ

  • 男性でも国家資格を取得すれば歯科衛生士になれる:43人中1人という環境でも、クラスメイトや先生に恵まれ卒業できた
  • 不安は卒業まで完全にはなくならないが乗り越えられる:相互実習の気まずさや国家試験前の緊張も、振り返れば良い経験になった
  • 就職後は性別より信頼が評価される:一度は一般企業へ転職したが、資格があったからこそ歯科衛生士に戻れた
  • 「歯科衛生士はやめとけ」とは思わない:大変なことはあっても、それ以上にやりがいや可能性のある仕事だと感じている

もし男性で歯科衛生士を目指そうか迷っているなら、性別だけを理由に夢を諦めず、ぜひ一歩踏み出してみてください。この記事が、あなたの進路選びの参考になれば嬉しいです。

学生時代を経て、実際に30代になった今、現場で感じていることは、こちらの記事で本音でまとめています。

男性歯科衛生士のリアル|30代の本音
30代男性歯科衛生士のリアルを公開。実際に働いて感じたメリットやデメリット、女性が多い職場で意識していること、信頼関係の築き方などを本音で解説します。

参考・引用