歯科衛生士の働き方進学・学費

歯科衛生士の学費はいくら?学校で違う費用の内訳を全国調査

歯科衛生士の学費について、全国45都道府県を調査し、公立・私立の費用差や学費に含まれる項目を解説するアイキャッチ画像

「歯科衛生士になりたいけど、専門学校の学費っていくらかかるの?」

そう思って調べ始めると、「300万円」「400万円」といった数字がいろいろなサイトに出てきて、結局どれが本当なのか分からなくなった経験はありませんか。

結論からお伝えすると、「学費○万円」という数字だけでは、実際に必要な総費用を比較できません。今回、全国の歯科衛生士養成校を調査してわかったのは、学校ごとに「学費に何が含まれているか」がまったく違うということでした。

僕自身、現役の歯科衛生士として、そして約10年前に歯科衛生士専門学校を卒業し、実際に奨学金を借りて学費を払った経験者として、この記事では全国調査でわかったデータと合わせて、学費の見方について解説します。


歯科衛生士になるには学費はいくら?

歯科衛生士になるためには、国が指定する養成校で学ぶ必要があります。専門学校・短期大学は3年制が基本で、大学の場合は4年間の課程が用意されています。

ここで、今回の調査で見つかった典型的な例を1つ紹介します。

ある学校では、公式サイトに「学費46万円」と案内されていました。破格の安さに見えますが、よく確認すると教材費が別途約40万円必要で、合計すると約86万円になります。一方、別の学校では「学費190万円」の中に授業料・実習費までが含まれていますが、教科書・実習器具・研修旅行費等でさらに約44万円以上が別途必要で、合計は234万円を超えます。

つまり、「学費○万円」という表示だけを比べても、実際に必要な総費用は分からないということです。なぜこのような差が生まれるのか、先に理由を整理してから、全国データを見ていきましょう。


歯科衛生士の学費、なぜ学校によって違う?

全国の養成校を調査して見えてきたのは、学費の差を生む要因が主に4つあるということです。

① 公立か私立か

もっとも差が大きいのがこの要因です。都道府県立などの公立養成校は、私立に比べて授業料が大幅に安く設定されている傾向があります。今回の調査でも、公立の養成校は3年間の学費が約60万円のところがあった一方、私立の養成校では350万円を超えるところもありました。

② 専門学校・短大・大学の違い

修業年限が長くなるほど、当然学費の総額も上がりやすくなります。大学は専門学校・短大より1年分学費がかかる計算になります。

③ 学費に何が含まれているか

ここが今回の調査でもっとも重要だと感じた点です。「学費」として案内されている金額に、以下のどこまでが含まれているかが学校によって違います。

  • 入学金
  • 授業料
  • 実習費
  • 施設設備費
  • 教材費・教科書代
  • 実習器具代
  • 制服・白衣代
  • 国家試験対策費・受験費用
  • 研修旅行費
  • その他諸費用(健康診断・保険・後援会費等)

ある学校では、これらすべてを「学費」として1つの金額にまとめて案内しています。一方、別の学校では、入学金・授業料・実習費までを「学費」「学納金」として案内し、教材費や実習器具代は「別途」として、入学後に個別に案内するケースもあります。

つまり、A校の「学費250万円」とB校の「学費250万円」が、必ずしも同じ内容を指しているとは限らないということです。

④ 特待生制度・給付金の有無

成績や取得資格に応じて入学金・授業料が免除される特待生制度、専門実践教育訓練給付制度の対象になっているかどうかも、学校によって差があります。これは後ほど「学費を抑える方法」の章で詳しく解説します。


全国の歯科衛生士養成校の学費を調査

2026年8月時点で、全国47都道府県のうち45都道府県について、公式サイトで具体的な学費情報を確認しました。1都道府県につき原則1校を掲載していますが、比較材料として有用な場合は複数校を掲載しています。なお、和歌山県・長崎県については、現行の具体的な学費を公式サイト上で確認できませんでした。

表の見方について、先にご説明します。「学費」は学校が「学費」「学納金」「校納金」等として公式に案内している金額です。「確認できる費用」は、学費に加えて教材費・実習器具代・制服代など、公式サイトで金額を確認できた費用を合算したもので、学校が「卒業までの総額」として明記しているとは限りません。このほかにも、国家試験受験費用や研修旅行費などが必要になる場合があります。

なお、公式サイトで具体的な金額を確認できなかった学校については、掲載していません(推測での記載は行っていません)。正確な最新情報は、必ず各校の公式サイトでご確認ください。

それでは、地域ブロックごとに見ていきます。

北海道・東北

学校費用
札幌歯科学院専門学校
専門学校・北海道
学費 245万円(3年間)
確認できる費用:245万円+教材等別途
旭川歯科学院専門学校
専門学校・北海道
学費 約91万円(初年度)
確認できる費用:約91万円〜
青森歯科医療専門学校
専門学校・青森
学費 220万円(3年間)
確認できる費用:220万円+器材等
MCL盛岡医療大学校
専門学校・岩手
学費 286万円(3年間)
確認できる費用:約319.6万円
宮城高等歯科衛生士学院
専門学校・宮城
学費 300万円(3年間)
確認できる費用:300万円+教材等
秋田県歯科医療専門学校
専門学校・秋田
学費 250万円(3年間)
確認できる費用:約297.8万円
山形歯科専門学校
専門学校・山形
学費 240万円(3年間)
確認できる費用:約294.2万円
福島医療専門学校
専門学校・福島
学費 261万円(3年間)
確認できる費用:261万円

関東

学校費用
茨城歯科専門学校
専門学校・茨城
学費 214万円(3年間)
確認できる費用:214万円
栃木県立衛生福祉大学校
公立専門課程・栃木
学費 約22.24万円(初年度)
確認できる費用:約22.24万円〜
群馬県高等歯科衛生士学院
専門学校・群馬
学費 190万円(3年間)
確認できる費用:約234万円+2・3年次追加費用
埼玉歯科衛生専門学校
専門学校・埼玉
学費 176万円(3年間)
確認できる費用:約203万円
日本大学松戸歯学部附属歯科衛生専門学校
専門学校・千葉
学費 265万円(3年間)
確認できる費用:265万円
日本歯科大学東京短期大学
短期大学・東京
学費 約162万円(初年度)
確認できる費用:約162万円〜
神奈川歯科大学短期大学部
短期大学・神奈川
学費 345万円(3年間)
確認できる費用:約350.4万円〜

関東エリアは、公立の栃木県立衛生福祉大学校から私立短大の神奈川歯科大学短期大学部まで、学校によって必要な費用に大きな差があります。ただし、初年度費用と3年間の総額が混在しているため、金額だけを単純に比較しないよう注意してください。

北信越・中部

学校費用
明倫短期大学
短期大学・新潟
学費 約240.6万円(3年間)
確認できる費用:約274.2万円〜
富山歯科総合学院
専門学校・富山
学費 210万円(3年間)
確認できる費用:約270万円
石川県歯科医師会立歯科医療専門学校
専門学校・石川
学費 184万円(3年間)
確認できる費用:約184万円+諸経費(参考)
福井歯科専門学校
専門学校・福井
学費 220万円(3年間)
確認できる費用:約276万円
山梨県歯科衛生専門学校
専門学校・山梨
学費 270万円(3年間)
確認できる費用:270万円+その他
長野医療衛生専門学校
専門学校・長野
学費 約300万円(3年間)
確認できる費用:約300万円
松本歯科大学衛生学院
専門学校・長野
学費 46万円(3年間)
確認できる費用:約86万円
大垣女子短期大学
短期大学・岐阜
学費 322万円(3年間)
確認できる費用:322万円
東海歯科衛生士専門学校
専門学校・静岡
学費 284万円(3年間)
確認できる費用:約376万円
名古屋ユマニテク歯科衛生専門学校
専門学校・愛知
学費 295万円(3年間)
確認できる費用:295万円+教材等
三重県立公衆衛生学院
県立専門学校・三重
学費 約59.6万円〜63.6万円(3年間)
確認できる費用:約59.6万円〜63.6万円

長野県内だけでも、公式に確認できる金額が46万円の学校から300万円の学校まで幅があり、同じ都道府県内でも学校によって大きな差が出ることが分かります。ただし46万円の学校は教材費約40万円が別途必要なため、合算すると86万円になります。

関西

学校費用
滋賀県立総合保健専門学校
県立専門学校・滋賀
学費 約122.6万円〜133.9万円(3年間)
確認できる費用:約158.1万円〜169.4万円
京都文化医療専門学校
専門学校・京都
学費 120万円(初年度・要最新確認)
確認できる費用:120万円〜
京都歯科医療技術専門学校
専門学校・京都
学費 約302万円(3年間)
確認できる費用:約302万円
大阪歯科衛生士専門学校
専門学校・大阪
学費 約94万円(初年度・学納金)
確認できる費用:記載なし(総額不明)
兵庫徳誠会歯科衛生士学校
専門学校・兵庫
学費 251万円(3年間)
確認できる費用:約301万円+修学旅行費
奈良歯科衛生士専門学校
専門学校・奈良
学費 251万円(3年間)
確認できる費用:251万円

※和歌山県については、2026年8月時点で公式サイトから現行の具体的な学費を確認できませんでした。

中国・四国

学校費用
鳥取県立歯科衛生専門学校
県立専門学校・鳥取
学費 約79.4万円(3年間)
確認できる費用:約120.4万円
島根県歯科技術専門学校
専門学校・島根
学費 150万円(3年間)
確認できる費用:150万円
岡山高等歯科衛生専門学院
専門学校・岡山
学費 66万円(初年度)
確認できる費用:約94万円〜
広島高等歯科衛生士専門学校
専門学校・広島
学費 約256.1万円(3年間)
確認できる費用:約256.1万円+修学旅行費
山口宇部新歯科衛生士養成学校
専門学校・山口
学費 135万円(初年度)
確認できる費用:公式総額の明記なし
徳島歯科学院専門学校
専門学校・徳島
学費 230万円(3年間)
確認できる費用:約256万円
香川県歯科医療専門学校
専門学校・香川
学費 220万円(3年間)
確認できる費用:約242万円〜
松山歯科衛生士専門学校
専門学校・愛媛
学費 85万円(初年度)
確認できる費用:85万円〜
高知学園短期大学
短期大学・高知
学費 約370.7万円(3年間)
確認できる費用:約370.7万円

九州・沖縄

学校費用
福岡歯科衛生専門学校
専門学校・福岡
学費 245.8万円(3年間)
確認できる費用:245.8万円+積立金
福岡医療短期大学
短期大学・福岡
学費 291万円(3年間・学納金)
確認できる費用:約323.35万円
佐賀歯科衛生専門学校
専門学校・佐賀
学費 183万円(3年間)
確認できる費用:約240.5万円
熊本歯科技術専門学校
専門学校・熊本
学費 352万円(3年間・公式総額明記)
確認できる費用:352万円
大分歯科専門学校
専門学校・大分
学費 91万円(初年度)
確認できる費用:約105万円〜
宮崎歯科技術専門学校
専門学校・宮崎
学費 210万円(3年間)
確認できる費用:約255.5万円
鹿児島医療福祉専門学校
専門学校・鹿児島
学費 176万円(3年間)
確認できる費用:約242.8万円
大育ネットワーク歯科衛生士科
専門学校・沖縄
学費 約248万円(3年間)
確認できる費用:約248万円

※長崎県については、2026年8月時点で公式サイトから現行の具体的な学費を確認できませんでした。

学費だけで比較すると危険な理由

ここまで紹介した45都道府県のデータを見て、「安い学校を選べばいい」と思った方もいるかもしれません。しかし、それは危険な判断です。

例えば、公式サイトの「学費」の数字だけを比べて、安いと思っていた学校に入学したあとで、教材費・実習器具代・国家試験対策費などが次々と別途請求され、想定より総額が膨らんでしまうケースは十分に考えられます。

逆に、最初に提示された金額が高く見えても、その中にすでに教材費・実習着代・研修旅行費まで含まれている学校であれば、あとから発生する追加費用を比較的把握しやすくなります。

今回の調査でも、公立の約60万円から私立の350万円を超える学校まで、大きな幅がありました。進学先を決める前に、必ず確認しておきたいポイントをまとめます。

  • 公式サイトの「学費」に何が含まれているか(入学金・授業料だけか、教材費・実習費まで含むか)
  • 別途必要な費用がある場合、いつ・いくら請求されるか
  • 3年間トータルでいくら必要になるか(初年度の金額だけで判断しない)
  • 特待生制度・給付金・免除制度の対象になるか

正直に言うと、僕自身も進学先を選ぶ際、学費の安さと通いやすさだけで学校を決めてしまいました。他の歯科衛生士専門学校としっかり比較検討しなかったことを、今振り返ると少し後悔しています。

当時は「近いから」「安そうだから」という理由だけで決めてしまいましたが、複数の学校を比較していれば、学費の内訳や、学校ごとの特色をもっと納得したうえで選べていたかもしれません。この記事を読んでいる方には、同じ後悔をしてほしくないという思いもあります。

オープンキャンパスや資料請求の際に、「3年間でトータルいくら必要になりますか」と直接質問することをおすすめします。公式サイトに書かれていない費用が、口頭で説明してもらえることもあります。


歯科衛生士の学費を抑える方法

学費の負担を軽くする方法には、主に次のようなものがあります。

公立の養成校を選ぶ

今回の調査でも紹介した通り、都道府県立などの公立養成校は、私立に比べて学費が大幅に安い傾向があります。ただし、公立養成校は募集人数が少なく、倍率が高くなりやすい点には注意が必要です。

学校独自の特待生制度・給付金

今回の調査でも、明倫短期大学(新潟)の授業料100%免除特待生制度など、各校が独自の給付型制度を用意しているケースが見られました。学校によって内容は大きく異なるため、志望校の制度は個別に確認してください。

奨学金という選択肢

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金や、社会人向けの専門実践教育訓練給付金など、学費の負担を軽くする公的制度もあります。これらの制度については情報量が多いため、別記事で詳しく解説する予定です。僕自身も専門学校時代に奨学金を利用した経験があるので、実体験を交えて紹介します。


学費以外に必要なお金

養成校に支払う学費以外にも、次のような費用がかかることを知っておくと安心です。

  • 通学定期代・交通費
  • 一人暮らしをする場合の家賃・生活費
  • 実習先までの交通費・宿泊費(臨地実習等)
  • 国家試験当日の交通費・宿泊費
  • 就職活動にかかる費用(スーツ・履歴書写真等)

特に実家から通えない地域の養成校を選ぶ場合は、家賃・生活費が学費とは別に3年間分かかることを念頭に置いておく必要があります。

学費を払って資格を取得したあと、実際にどう働いていくかについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。


よくある質問

Q. 歯科衛生士の専門学校と短大、どちらが学費は安いですか?

A. 一概には言えません。今回の調査でも、専門学校の中に県立で60万円台の学校があった一方、私立短大で350万円を超える学校もありました。「専門学校だから安い」「短大だから高い」と決めつけず、個別に確認することが大切です。

Q. 公式サイトの学費が「初年度のみ」の場合、3年間の総額はどう調べればいいですか?

A. 2年次・3年次の授業料や諸費用が別ページに記載されている場合があります。見つからない場合は、学校に直接問い合わせて「3年間トータルの金額」を確認するのが確実です。

Q. 学費が安い学校は教育の質が低いのですか?

A. 学費の高低と教育の質は、必ずしも比例するものではありません。公立養成校が学費が安いのは、教育の質が低いからではなく、運営主体(都道府県等)による財政支援があるためです。学費だけでなく、実習先の充実度・国家試験合格率なども合わせて検討することをおすすめします。

Q. オープンキャンパスで学費について質問してもいいですか?

A. もちろんです。むしろ積極的に質問することをおすすめします。「3年間トータルでいくら必要か」「別途費用は何があるか」を直接確認することで、入学後の想定外の出費を防げます。

Q. 学費が公式サイトに載っていない学校は、どうやって調べればいいですか?

A. 今回の調査でも、和歌山県・長崎県など一部の地域では公式サイト上に具体的な金額を確認できませんでした。このような場合は、学校に直接資料請求をするか、オープンキャンパスで問い合わせるのが確実です。

Q. 1都道府県に複数の養成校がある場合、他の学校の学費も調べられますか?

A. 今回の記事では1都道府県につき原則1校を紹介していますが、同じ都道府県内に他の養成校がある場合もあります。気になる方は「都道府県名 歯科衛生士 養成校」で検索し、各校の公式サイトで確認してみてください。


まとめ

  • 「学費○万円」という数字だけでは、実際に必要な総費用は分からない
  • 学費の差を生む要因は、①公立・私立②専門学校・短大・大学③学費に含まれる範囲④特待生制度の有無、の4つ
  • 全国45都道府県の調査で、公立は約60万円、私立は350万円を超える学校まで幅があった
  • 進学前に「3年間トータルでいくら必要か」を必ず確認する
  • 学費以外にも交通費・生活費・実習費用などがかかることを想定しておく

歯科衛生士になるための学費は、学校によって大きく異なります。数字だけを見て判断せず、必ず学校ごとの内訳を確認したうえで、自分に合った進学先を選んでください。

奨学金など学費の払い方については、別の記事で詳しく紹介する予定です。


参考・引用

本記事の学費データは、2026年8月時点で各養成校の公式サイトに掲載されている情報をもとに作成しています。学費は年度により改定される場合があるため、最新の正確な情報は必ず各校の公式サイトでご確認ください。