「歯科衛生士に夜勤ってあるの?」
結論からいうと、一般的な歯科医院で働く歯科衛生士に夜勤・宿直はほとんどありません。むしろ「夜勤がないこと」は、歯科衛生士という仕事の魅力としてよく挙げられるポイントです。
ただ、僕は新卒時代、救急患者の受け入れと入院患者対応のため、宿直がある職場で働いていました。この記事では、歯科衛生士としては珍しいその経験を、実体験ベースでお伝えします。
歯科衛生士に夜勤・宿直はほぼない
現役歯科衛生士109人を対象にしたdStyleのアンケート調査でも、歯科衛生士になって良かったと感じる理由として「転職に困らない」「一生続けられる」に続き、「夜勤がない」ことが上位に挙げられています。多くの歯科医院は日中の診療時間内で完結するため、夜勤という概念自体がほとんど存在しません。
ただし、すべての職場に夜勤がないわけではありません。24時間診療をうたう歯科医院グループも実在し、家庭の事情に合わせて夜間帯だけ働くW-workという形で歯科衛生士を募集しているケースもあります。また、僕のように病院歯科(総合病院・大学病院に併設された歯科口腔外科など)で働く場合は、救急対応や入院患者対応のために宿直が発生することがあります。
なぜ僕には宿直があったのか
僕が新卒で勤務していた医院は、救急患者の受け入れと入院患者への対応を行っていました。一般的な歯科医院とは違い、外傷や急患の対応、入院中の患者さんの口腔管理などを担う必要があったため、当直・宿直の体制が組まれていたのだと思います。
一般的な歯科医院に勤める歯科衛生士からすると、かなり特殊な環境だったと思います。
【体験談】宿直・日直のリアルな1日
通常勤務の日でも、次のような流れになることがありました。
朝出勤→夜勤(宿直)→翌日の日勤→夜退勤
朝から翌日の夜まで、まるまる職場にいることもありました。
休日も例外ではなく、「宿直→翌日の日直17時終了」という勤務が組まれることがあり、休日そのものが潰れることもありました。
夜勤手当は約2,000円でした。夜中は電話対応があり、呼び出し音(今でも忘れられない、あのジュピターの音)が鳴るたびに起こされ、多い日は1時間に1回のペースで電話対応をして、そのまま翌日も通常勤務、ということもありました。
休日診療もあり、休診日には月1回の勉強会が入っていたため、結果として実質月6〜7日程度しか休めていなかったという印象です。20代前半だったから乗り切れましたが、今振り返るとかなり過酷な勤務環境だったと思います。
宿直があったからこそ得られたもの
正直、当時は「大変だ」という気持ちの方が大きかったです。それでも、振り返ると得られたものもありました。
- 救急対応や入院患者対応という、一般的な歯科医院では経験できない現場を知れた
- 夜間の緊張感の中で判断する経験ができた
- 今の職場のありがたさを強く実感できるようになった
一度過酷な環境を経験したからこそ、今の職場で当たり前のように休憩が取れたり、有給が取りやすかったりすることに、強くありがたみを感じています。福利厚生や有給の実態については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
歯科衛生士の福利厚生を徹底解説|医療法人と個人医院の違いを歯科衛生士が解説歯科衛生士の福利厚生、何を確認すればいい?社会保険や有給、医療法人と個人医院の違いを、日本歯科衛生士会の最新調査データと僕自身の転職経験をもとに解説します。求人票でチェックすべきポイントも紹介。
歯科衛生士の有給休暇は取れる?|取得実態と求人票で見るべきポイントを歯科衛生士が解説歯科衛生士の有給休暇、制度はあっても実際に取れるかは別問題です。常勤の92.6%が有給ありと回答する一方、祝日の扱いなど求人票では分からない落とし穴も。現役歯科衛生士が実体験を交えて解説します。
今振り返ると、当時はつらかったですが、貴重な体験ができたとも思っています。すがる思いで受診に来た救急の患者さんが、処置を終えてほっとした表情を見せてくれた瞬間は、今でも覚えています。それが「また頑張ろう」と思える力になっていました。
ちなみに、たまたまなのですが、当時新卒で勤めていた病院で救急対応をした患者さんが、今勤めている歯科医院にふらっと来院されることがあります。世間は狭いなと感じる瞬間です(笑)
求人票で宿直の有無を見分けるには
一般的な歯科医院の求人票には、そもそも宿直・夜勤という項目自体が存在しないことがほとんどです。ただし、病院歯科・口腔外科・救急対応を行う施設の求人では、「当直あり」「オンコール対応あり」といった記載がある場合があるので、見落とさないようにしてください。
求人票だけでは分からない部分も多いので、気になる場合は面接で必ず確認することをおすすめします。転職を考える際に確認すべきポイントは、こちらの記事でまとめています。
歯科衛生士の転職ロードマップ|辞める前に考えるべき6つのステップを歯科衛生士が解説歯科衛生士の転職で後悔しないために。ブラック医院からの転職、一般企業への転職、そして復職までを経験した現役歯科衛生士が、辞める前に考えるべき6つのステップと、良い職場を見極める基準を実体験と公的データをもとに解説します。
よくある質問
歯科衛生士に夜勤はありますか?
一般的な歯科医院ではほとんどありません。ただし、病院歯科や救急・入院対応を行う施設では、宿直や当直が発生することがあります。
宿直がある職場かどうかはどう見分ければいいですか?
求人票に「当直あり」「オンコール対応あり」と記載されていることが多いです。記載がない場合でも、病院歯科や救急対応を行う施設であれば、面接で確認することをおすすめします。
夜勤手当はどれくらいでしたか?
僕の場合は1回あたり約2,000円でした。これは職場によって差があると思います。
歯科衛生士でも24時間診療の職場はありますか?
あります。24時間診療をうたう歯科医院グループも実在し、W-workとして夜間帯だけ働ける求人を出しているケースもあります。
宿直がある職場は避けたほうがいいですか?
一概には言えません。救急対応や入院患者対応という経験は貴重ですが、体力的な負担は大きいです。自分のライフスタイルと照らし合わせて判断することをおすすめします。
まとめ
- 一般的な歯科衛生士に夜勤・宿直はほぼない
- 病院歯科など救急・入院対応を行う施設では宿直が発生することがある
- 僕の新卒時代は宿直込みで実質月6〜7日しか休めない過酷な環境だった
- その経験があったからこそ、今の職場のありがたさを強く感じている
「歯科衛生士=夜勤なし」というイメージは、ほとんどの職場で正しいです。ただ、病院歯科という特殊な環境もあることを知っておくと、就職・転職先を選ぶときの視野が広がるかもしれません。




