「有給休暇ってちゃんと取れてるのかな?」
「他の歯科医院と比べて、うちは有給が少ないんじゃないか…」
そんな不安を感じたことがある歯科衛生士の方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、「有給休暇の制度があるか」と「実際に取得できるか」は別問題です。制度としては多くの歯科医院に存在していても、実際の取りやすさは医院によって大きく異なります。
この記事では、公的データと僕自身の実体験をもとに、歯科衛生士の有給休暇の実態や、求人票を見るときに確認しておきたいポイントを解説します。
歯科衛生士の有給休暇、制度としてはどれくらいある?
日本歯科衛生士会の調査によると、常勤の歯科衛生士の92.6%が「勤務先に有給休暇がある」と回答しています。ただし、これを診療所(いわゆる町の歯科医院)に限定すると85.1%まで下がります。病院などに比べると、個人経営の診療所ではやや制度が整っていないケースもあるようです。
付与される日数については、「20〜29日」が34.5%で最も多く、次いで「10〜19日」が28.8%という結果でした。前回調査と比較すると、付与日数は年々増加傾向にあるとされています。
法律上のルールもおさらい
有給休暇は、労働基準法で定められた労働者の権利です。基本的なルールは次の通りです。
- 入職から6ヶ月継続勤務し、8割以上出勤していれば10日付与される
- 勤続年数に応じて付与日数が増えていく
- 10日以上付与される人は年5日を必ず取得させることが事業所の義務になった(2019年法改正)
つまり、有給休暇は「取れたらラッキー」なものではなく、法律上は事業所側に取得させる義務がある制度です。転職・就職の際は、この基本ルールを踏まえたうえで求人票を見ることが大切です。
「制度がある」と「取りやすい」は別の話
ここまでは制度としての話でしたが、実際に有給を取得できるかどうかは、医院によって大きく差があります。
交代できるスタッフの数が少ない医院では、どうしても有給が取りづらい傾向があります。反対に、中規模以上でスタッフ数に余裕がある医院では、比較的取得しやすいといえるでしょう。歯科衛生士の有効求人倍率は20倍を超えており、売り手市場のなかで「有給の取りやすさ」を採用アピールに使う医院も増えてきています。
求人票に「有休取得率100%」のような記載がある医院は、実際に取りやすい環境である可能性が高いといえます。
僕の職場での有給休暇の実態
僕自身の職場では、有給休暇は申請しやすい環境で、実際にほぼ全部消化できています。基本的には1ヶ月前に申請するルールですが、体調不良など急なお休みについては、もちろん柔軟に対応してもらえています。
ただ、一つだけ他の医院にはあまりない特徴があります。それは、祝日の振替に有給休暇を使わなければならないというルールです。
つまり、祝日であっても医院自体は診療を行っており、その日を休みたい場合は有給休暇を消化する必要があるということです。「有給が20日ある」と聞くと自由に使える休みが20日分あるように感じますが、実際には祝日休みの分がその中に含まれてしまう医院もあるということは、意外と見落とされがちなポイントだと感じています。
求人票を見るときにチェックしたいポイント
有給休暇について求人票を確認するときは、日数だけでなく、次の点もあわせてチェックすることをおすすめします。
- 付与される有給休暇の日数
- 有休取得率の記載があるか
- 祝日は診療しているか、休診日として設定されているか
- 祝日休みが有給消化扱いになるかどうか
- 申請のタイミングやルール(何日前までに申請が必要か)
これらは求人票だけでは分からないことも多いため、面接の際に直接質問してみることをおすすめします。年間休日数や働き方全体については、こちらの記事も参考にしてください。
実際の給与や働き方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
今の職場に有給の取りづらさを感じている方は、一度求人サイトで他の医院の条件を比較してみるのも一つの方法です。
よくある質問(FAQ)
Q. 歯科衛生士は有給休暇を取りにくいというのは本当ですか?
A. 一概には言えません。制度としては9割以上の常勤歯科衛生士に有給休暇がありますが、実際の取りやすさはスタッフ数や医院の方針によって差があります。
Q. 有給休暇はいつから使えますか?
A. 法律上は、入職から6ヶ月継続勤務し、8割以上出勤していれば10日付与されます。医院によっては、これより早く付与される独自ルールを設けている場合もあります。
Q. 祝日に有給休暇を使わされるのは違法ではありませんか?
A. 祝日は法律上「必ず休みにしなければならない日」ではないため、通常の診療日として扱うこと自体は違法ではありません。その日に休みたい場合に有給休暇を充てる運用も、就業規則の範囲内であれば問題ないとされています。気になる場合は就業規則を確認してみることをおすすめします。
Q. 有給休暇は必ず年5日取得しないといけませんか?
A. 10日以上の有給休暇が付与される労働者については、事業所が年5日を取得させることが法律上の義務になっています。取得できていない場合は事業所側の義務違反にあたる可能性があります。
Q. 有給休暇の取りやすさは面接で聞いても大丈夫ですか?
A. 質問しても問題ありません。ただし、面接の冒頭からいきなり休暇の話ばかりを聞くと印象が良くない場合もあるため、他の質問と合わせて自然な流れで聞いてみるのがおすすめです。
まとめ
- 常勤の92.6%は有給休暇の制度があると回答(診療所のみだと85.1%)
- 付与日数は「20〜29日」が最多で、増加傾向にある
- 制度の有無と、実際に取れるかどうかは別問題
- 祝日を有給消化で対応する医院もあるため、求人票だけでは分からない部分もある
- 気になる点は面接で確認するのがおすすめ
有給休暇は「日数」だけを見ると分かりやすい指標ですが、実際にどう消化されるかは医院ごとの運用によって大きく変わります。転職や就職を考える際は、日数だけでなく、祝日の扱いや申請のしやすさまで含めて確認することをおすすめします。
この記事が、自分に合った働き方を見つける参考になれば嬉しいです。




