「夜になると急に歯がズキズキしてきた…」
日中は気にならなかったのに、布団に入った途端に痛みが強くなる。そんな経験はありませんか?
実は、夜に歯の痛みが強くなるのには理由があります。この記事では、現役歯科衛生士の僕が、夜間の歯痛への応急処置とNG行動、受診の目安までわかりやすくまとめました。
【結論】夜の歯痛、今すぐの対処法一覧
| 対処法 | ポイント |
|---|---|
| 患部を外側から冷やす | タオルで包んだ保冷剤を頬に当てる(10〜15分程度が目安) |
| 市販の痛み止め | 用法・用量を守り、アルコールとの併用は避ける |
| ぬるま湯・塩水でうがい | やさしく行う、ガラガラうがいは避ける |
| 頭を高くして休む | 枕を高めにして血流を抑える |
| 受診の目安 | 腫れ・発熱を伴う場合は夜間救急を検討 |
それぞれの理由と方法を、ここから詳しく説明します。
なぜ夜になると歯が痛くなるの?
横になると、頭部への血流が増え、炎症を起こしている部分の血管が広がります。血管が拡張すると神経が圧迫されやすくなり、日中は気にならなかった痛みが強く感じられるようになります。
また、日中は仕事や家事などで気が紛れていますが、夜は静かな環境で痛みに意識が集中しやすいことも、余計に痛みを強く感じる一因です。
虫歯が進行し、歯の中心にある「歯髄」まで炎症が達すると(歯髄炎)、この夜間の痛みがより顕著になる傾向があります。
今すぐできる応急処置
① 患部を外側から冷やす
冷やすことで血管が収縮し、痛みが和らぐことがあります。氷嚢や保冷剤をタオルで包み、頬の外側から当てましょう。冷却は10〜15分程度を目安にしてください。
氷水を直接口に含んだり、患部を強く冷やしすぎたりするのは逆効果になることがあります。「冷たくて気持ちいい」と感じる程度に留めましょう。
② 市販の痛み止めを使う
ロキソプロフェン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどの成分を含む市販の鎮痛剤は、夜間の痛みを一時的に和らげる方法の一つです。
用法・用量は必ず守り、アルコールとの併用は避けてください。コンビニには置いていないことが多いため、常備しておくと安心です。
③ ぬるま湯・塩水でうがいをする
冷たすぎず熱すぎない、ぬるま湯でやさしくうがいをすると、口の中の細菌を減らし、軽い炎症を落ち着かせる助けになります。勢いよくガラガラとうがいをすると患部を刺激してしまうため、やさしく行いましょう。
④ 頭を少し高くして休む
枕を高めにして寝ると、頭部への血流をやや抑えられ、痛みが軽減することがあります。
夜の歯痛でやってはいけないNG行動
- 入浴・長風呂(血流が良くなり痛みが増すことがある)
- 飲酒(血流促進+痛み止めとの併用リスク)
- 喫煙(有害物質が患部を刺激する)
- 爪楊枝などで患部を触る(傷つけたり細菌が入るリスク)
これらはすべて血流を良くする、または患部を刺激する行動で、かえって痛みを悪化させ、眠れない状態を長引かせてしまうことがあります。
夜間救急を受診すべきケース
応急処置をしても痛みが治まらない、顔や歯ぐきが大きく腫れている、発熱を伴うといった場合は、我慢せず夜間救急の歯科を受診しましょう。
「休日夜間急患センター」などで検索すると、地域の対応窓口が見つかります。夜間救急の診療は休日加算・深夜加算により、通常より治療費が高くなる傾向があります。また、夜間救急ではあくまで応急処置となるため、後日必ずかかりつけの歯科医院を受診してください。
実体験:夜間の歯痛相談で感じること
現場で働いていても、「夜になると痛くて眠れない」というご相談は珍しくありません。多くの場合、日中は我慢できていた痛みが、横になった夜間に強くなって来院される方が多い印象です。
応急処置で一時的に楽になっても、痛みの原因(虫歯や歯周病など)そのものが治ったわけではありません。翌日以降、症状が落ち着いていても、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
詰め物が取れて痛みが出ている場合は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
冷たいものがしみるだけの症状であれば、知覚過敏の可能性もあります。むし歯との見分け方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
よくある質問
市販の痛み止めは何回でも飲んでいいですか?
いいえ、パッケージに記載された用法・用量を守ってください。空腹時の服用も避け、それでも痛みが続く場合は自己判断で追加せず、早めに歯科医院を受診してください。
何日も夜に痛みが続く場合はどうすればいいですか?
応急処置で一時的に和らいでも、原因が治ったわけではありません。数日続く場合は、できるだけ早くかかりつけの歯科医院を受診してください。
子どもの夜間の歯痛にも同じ対処法でいいですか?
冷やす・頭を高くするなどの対処は応用できますが、市販の痛み止めは年齢に応じた子ども用の製品を選ぶ必要があります。心配な場合は無理をせず、小児歯科や夜間救急に相談してください。
夜間救急を受診すると費用は高くなりますか?
休日夜間急患センター等では、通常の診療時間外にあたるため休日加算・深夜加算が発生し、通常の診療より費用が高くなる傾向があります。応急処置が目的の診療のため、後日改めてかかりつけ医で治療を受ける形になります。
歯科医院ではなく内科や救急外来を受診してもいいですか?
歯の痛みそのものへの根本的な処置はできないことが多いため、可能であれば歯科の夜間救急を探すのがおすすめです。ただし、顔の腫れや発熱がひどく全身状態が心配な場合は、内科や救急外来の受診も選択肢になります。
応急処置をしたら受診しなくても大丈夫ですか?
応急処置はあくまで一時的に痛みを和らげるものです。痛みの原因(虫歯・歯周病など)そのものが解決したわけではないため、症状が落ち着いても早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
まとめ
夜に歯が痛くなるのは、横になることで血流が増え、神経が圧迫されやすくなるためです。
- 患部を外側から冷やす(10〜15分程度)
- 市販の痛み止めを用法・用量を守って使う
- ぬるま湯・塩水でやさしくうがいをする
- 入浴・飲酒・喫煙・患部への刺激は避ける
- 腫れ・発熱を伴う場合は夜間救急を検討する
応急処置はあくまで一時しのぎです。痛みが落ち着いても、できるだけ早く歯科医院を受診することをおすすめします。



