「歯医者に行きたいけど、何年も行っていないから恥ずかしい…」
そう感じて、なかなか一歩を踏み出せない方は少なくありません。
結論からいうと、久しぶりの受診で恥ずかしい思いをする必要はありません。厚生労働省の調査によると、過去1年間に歯科検診を受けた人は58.8%にとどまっています。つまり、4割以上の人が1年以上歯科を受診していないということです。あなただけが特別なわけではありません。
この記事では、現役歯科衛生士として現場で見てきた実例をもとに、久しぶりの受診でも安心して大丈夫な理由をお伝えします。
「久々ですね」としか思っていません
正直にお伝えすると、僕たちは久しぶりに来院された患者さんに対して、怒ったり呆れたりすることはありません。
実際にお伝えしているのは、
「久々ですね!」
という、ただの事実確認のような一言だけです。そのあとは、
「きれいにするので、これから頑張りましょう!」
と、前向きな声かけをするようにしています。「なぜ来なかったんですか」と責めるようなことは、僕自身は言ったことがありません。
実際にあった「久しぶり」の患者さんたち
現場では、さまざまな理由で久しぶりに来院される患者さんと出会います。
「汚くて情けないです…」と申し訳なさそうに話す方もいれば、
「正直、サボってました」
と素直に打ち明けてくれる方もいます。どちらの場合も、僕たちの対応は変わりません。
実際に見てきた状態としては、
- 抜歯寸前まで進行した虫歯
- 至る所にむし歯が広がっている状態
- 被せ物が取れたまま何本も放置されている
- 「壁」ができるほどの歯石の蓄積
- 強い口臭
など、さまざまなケースがありました。歯石についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
それでも、僕たちにとってはどれも「初めて見る状態」ではありません。汚れに真摯に向き合うのが、僕たちの仕事だからです。
数十年ぶりだったと思われる患者さんの話
記憶が定かではありませんが、これまで担当した中で一番印象に残っているのは、数十年単位で歯医者に来ていなかったと思われる、80代の患者さんです。
興味深いことに、その方は歯がすべて残っていました。ただし、多くの歯が失活(歯の神経が死んでしまっている状態)していました。
これは、「歯が残っている=健康」とは限らないということを教えてくれる経験でもありました。痛みを感じないまま進行してしまうケースもあるからこそ、定期的なチェックが大切なのだと感じています。
ちなみに、長年放置していた高齢の患者さんに限って、歯や歯茎がしっかりしている印象があるのも、現場にいて感じる不思議な発見のひとつです。
変化を実感してもらう工夫
久しぶりに来院された患者さんには、治療前後の口腔内写真をビフォーアフターで比較して見せるようにしています。
毎日鏡で見ている自分の歯は、変化に気づきにくいものです。写真で並べて見ることで、「こんなにきれいになったんだ」と実感していただけることが多いと感じています。
歯科衛生士という仕事は、こうして自分の仕事の成果が目に見えて分かりやすいという特徴があります。それが、この仕事のやりがいのひとつだと感じています。
治療費が心配な方へ
久しぶりの受診では、「治療費がどれくらいかかるのか」も気になるポイントだと思います。初診やクリーニングの費用の目安については、こちらの記事でまとめています。
また、話しやすい歯科医院を選びたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
治療が怖い、緊張してしまうという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 何年も歯医者に行っていないのは自分だけですか?
A. そんなことはありません。厚生労働省の調査では、過去1年間に歯科検診を受けた人は58.8%です。4割以上の人が1年以上受診していないというデータもあり、決して珍しいことではありません。
Q. 歯がボロボロだと怒られますか?
A. 僕自身の経験では、怒ったり呆れたりすることはありません。「久々ですね」という事実確認と、「これから頑張りましょう」という前向きな声かけをするようにしています。
Q. 歯が残っていれば大丈夫ですか?
A. 歯が残っていても、神経が死んでしまっている(失活している)ケースもあります。痛みがないからといって安心できるとは限らないため、気になる方は一度受診することをおすすめします。
Q. どれくらいの期間放置していても受診できますか?
A. 現場では、数十年単位で来院されていなかったと思われる方も担当したことがあります。どれだけ期間が空いていても、受診をためらう必要はないと感じています。
Q. 久しぶりの受診で何を伝えればいいですか?
A. 特別なことを準備する必要はありません。「久しぶりで不安です」と正直に伝えていただければ、それだけで十分です。
まとめ
- 4割以上の人が1年以上歯科を受診していないというデータもある
- 久しぶりの来院で怒られることはない
- 歯石の蓄積や虫歯の進行など、現場ではさまざまなケースを見てきている
- 歯が残っていても、神経が死んでいることもある
- ビフォーアフターで変化を実感できることも多い
久しぶりの受診に、恥ずかしさや不安を感じるのは自然なことです。それでも、僕たち歯科衛生士は「久々ですね」以上のことを思っていません。
まずは一歩、勇気を出して来院してみてください。そして、今回きれいになったら、次はぜひ定期的な検診を習慣にしてみてください。大人の歯科検診の頻度については、こちらの記事で詳しく解説しています。






