歯科衛生士の働き方給料・年収

【2026年版】歯科衛生士のベースアップ評価料(手当)はいくら?給与明細3年分で解説

ベースアップ評価料とは?歯科衛生士の給与明細3年分を比較し、1,307円から15,000円への推移や2026年改定、給料だけで職場を選ばない考え方を現役歯科衛生士がまとめたブログアイキャッチ画像

※この記事は2026年7月時点の制度・給与明細をもとに作成し、令和8年度改定や今後の拡大(2027年6月予定)に合わせて随時更新しています。

「ベースアップ評価料って最近よく聞くけど、結局どんな制度なの?」

「歯科衛生士の給料は本当に上がるの?」

「求人票に書いてあるけど、実際はいくらもらえるの?」

このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

ベースアップ評価料は、令和6年度の診療報酬改定で新設された、医療従事者の賃上げを目的とした制度です。

しかし、制度について解説している記事は多くても、「実際にどれくらい給料が増えたのか」まで紹介している記事はあまり多くありません。

この記事では、現役歯科衛生士である僕が、実際の給与明細をもとにベースアップ評価料の推移を公開します。2024年・2025年・2026年の3年間を比較しながら、制度の内容や支給額の変化を分かりやすく解説します

「ベースアップってそもそも何?」「歯科衛生士のベースアップは実際どれくらいなの?」という検索でこの記事にたどり着いた方も多いと思います。正式名称は「ベースアップ評価料」ですが、現場では単に「ベースアップ」「ベア」、あるいは給与明細上は「ベースアップ評価料手当」と呼ばれることも多いです。


ベースアップ評価料とは?歯科衛生士にも支給される制度

ベースアップ評価料とは、医療機関で働くスタッフの賃上げを目的として、令和6年度の診療報酬改定で新設された制度です。

歯科医院が厚生労働省へ届け出を行うことで診療報酬へ加算され、その財源をスタッフの給与改善へ充てることができます。新設時点の加算点数は初診時10点・再診時2点です。

簡単に言うと…

「医療スタッフの給料を上げるために国が用意した仕組み」というイメージです。

対象となるのは歯科衛生士だけではありません。歯科助手や受付など、対象となるスタッフへ医院の方針に応じて配分されます。歯科助手にも実際に支給された給与明細の実例は、こちらの記事で詳しく紹介しています。


誰が対象になるの?令和8年度改定でさらに拡大

ベースアップ評価料の対象となるのは、歯科医師・医師を除く、主として歯科医療に従事する職員です。歯科衛生士・歯科技工士・歯科助手などが当てはまり、常勤・非常勤・パートといった雇用形態は問われません。ただし、診療に関わらない事務専従の受付スタッフは対象外とされています。

この対象範囲は、令和8年度改定(2026年6月〜)でさらに広がりました。

  • 事務職員が新たに対象化
  • 40歳未満の勤務歯科医師(開設者・院長は対象外)
  • 40歳未満の薬局薬剤師
  • 歯科技工所等で従事する者

賃上げの目標水準も職種ごとに設定されており、事務職員・看護補助者は+5.7%、40歳未満の医師・歯科医師・看護職員・薬剤師等は+3.2%とされています。

また、対象範囲だけでなく点数そのものも見直され、初診時の点数は10点から21点(新たに賃上げを行う施設は31点)、再診時等は2点から4点(同6点)へと引き上げられました。さらに令和9年度(2027年6月〜)には、この点数がさらに倍増する設計になっています。

なお、歯科衛生士の給料について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。


ベースアップ評価料は全員もらえる?

結論から言うと、必ず全員が同じようにもらえる制度ではありません。

その理由は、医院によって制度の運用方法が異なるためです。

比較項目医院による違い
届け出届け出をしていない医院は対象外
支給方法基本給・手当・賞与など医院ごとに異なる
支給額数千円〜1万円以上までさまざま
対象者医院ごとの配分方法による

そのため、

  • 「友人は1万円以上もらっている」
  • 「自分は数千円だった」
  • 「まだ支給されていない」

このような違いがあっても不思議ではありません。

えくうす
えくうす

ベースアップ評価料は制度がある=全員同じ金額がもらえるというわけではありません医院ごとの運用方法によって支給額は変わります。


支給額はどう決まる?試算例で見る仕組み

ベースアップ評価料は、初診・再診ごとに加算される点数(1点=10円)が原資になります。新設時点の点数は初診10点・再診2点でした。

例えば、この点数構成で年間の原資が約124,800円確保できたと仮定すると、これを常勤・非常勤スタッフ3人で分配した場合、単純計算で1人あたり月3,500円程度という水準になります。

もちろんこれはあくまで一つの試算です。実際の原資は医院の患者数や診療内容によって大きく変わりますし、分配の比率も医院ごとに異なります。


実際にいくら増えた?現役歯科衛生士の給与明細を公開

ここまでは制度について説明してきました。では実際に、現場で働く歯科衛生士の給料はどのように変化したのでしょうか。

ここからは、僕自身の給与明細をもとに、2024年から2026年までのベースアップ評価料手当の推移をご紹介します。

年月ベースアップ評価料手当コメント
2024年6月1,307円制度開始直後
2025年6月7,000円前年より増額
2026年6月15,000円さらに増額

▼ベースアップ評価料手当の推移(2024〜2026年)

この比較画像を見ると、僕の勤務先ではベースアップ評価料手当が3年間で1,307円から15,000円まで増加していることが分かります。もちろん医院によって差はありますが、制度が現場へ少しずつ浸透していることを実感しています。

続いて、それぞれの給与明細を掲載します。

▼2024年6月

▼2025年6月

▼2026年6月

2024年に初めて給与明細へ「ベースアップ評価料手当」が記載されたときの金額は1,307円でした。

正直なところ、「思っていたより少ないな……。」というのが最初の感想です。

しかし翌年には7,000円、そして2026年には15,000円まで増えました。もちろん、これは僕が勤務している歯科医院での一例です。それでも、制度開始当初と比べると、スタッフへ還元しようという流れが少しずつ強くなっていることを実感しています。


令和8年度改定で何が変わった?

僕の勤務先では、1,307円から15,000円まで支給額が増えました。理由の一つとして考えられるのが、令和8年度の診療報酬改定です。

令和8年度改定では、対象職種の拡大(事務職員・40歳未満の医師や歯科医師・40歳未満の薬局薬剤師・歯科技工所従事者)と、賃上げ目標水準の設定(事務職員・看護補助者+5.7%、40歳未満の医師等+3.2%)に加え、点数自体の引き上げ(初診10点→21点、再診2点→4点)が主な変更点です。2027年6月にはこの点数がさらに倍増する予定です

ただし、制度が改定されたからといって、すべての歯科医院で同じように支給額が増えるわけではありません。実際には医院ごとの患者数や運用方針によって、支給額や還元方法は異なります。

えくうす
えくうす

ベースアップ評価料は「制度があるか」よりも「実際にどれだけスタッフへ還元しているか」が大切です。


支給額の差が生まれる背景

同じ歯科衛生士でも、勤務先によってベースアップ評価料手当には大きな差があります。制度そのものは全国共通ですが、実際の支給額に差が出るのには、いくつかの背景があると感じています。

そもそもの仕組み

ベースアップ評価料は、初診料・再診料などに一定の点数が加算され、その加算分がスタッフへの賃上げ原資になるという仕組みです。医院の患者数が多いほど原資も大きくなるため、同じ「届け出済み」の医院でも、患者数によって金額に差が出ます。

医院の経営方針

加算された診療報酬をどこまでスタッフへ還元するかは、最終的に各医院の判断に委ねられています。積極的に還元する方針の医院もあれば、設備投資や運営コストへ優先的に充てる医院もあります。

分配の比率

分配方法も医院によって様々です。例えば常勤スタッフと非常勤スタッフの間で「常勤2:非常勤1」のような比率を目安に分配する医院もあれば、全員一律で分配する医院もあります。

届け出のタイミング

制度開始と同時に届け出を行った医院と、後から届け出た医院とでは、支給が反映され始める時期にズレが生じます。僕の勤務先のように制度開始当初から届け出ていた場合でも、初年度の支給額が小さいケースは珍しくありません。

医院の規模や診療内容

加算される診療報酬の額は、医院の患者数や診療内容によっても変わります。そのため、同じように届け出をしていても、医院の規模によって還元できる金額に差が出ることがあります。

大切なのは、他院と単純に比較することではなく、自分が働いている医院がスタッフへどのように還元しているかを見ることだと思います。


全国一律ではない|15,000円は高水準かもしれない

先ほどの試算例(初診10点・再診2点、3人配分で月3,500円程度)と比べると、僕の勤務先の15,000円という金額は、全国的に見ても高めの水準である可能性があります

もちろん、これは患者数の多さや医院の還元方針、令和8年度改定による原資の増加など、複数の要因が重なった結果だと考えられます。「自分の医院は少ない」と感じても、それが平均から大きく外れているとは限りません。大切なのは金額の絶対値を他院と比べることではなく、自分の医院がどのくらいの姿勢でスタッフへ還元しようとしているかを見ることだと思います。


ベースアップ評価料とインセンティブの違い

ベースアップ評価料とよく混同されるのが「インセンティブ」です。

ベースアップ評価料は診療報酬制度に基づく賃上げの仕組みであり、医院の届け出によって発生します。一方インセンティブは、自費診療の成果など個人の実績に応じて医院が独自に支給するものです。歯科衛生士以外の他職種(看護師や介護職など)にも類似の賃上げ施策はありますが、制度設計は職種ごとに異なるため、ここでは深く触れません。

僕の勤務先では、ベースアップ評価料手当とは別に自費診療のインセンティブ制度もあります。この2つは財源も性質も異なる別の仕組みだと理解しておくと、給与明細を見たときに分かりやすいです。

インセンティブについて詳しくはこちらの記事でも解説しています。


給料だけで医院を選ぶのはおすすめしません

求人サイトを見ると、月給30万円以上や35万円以上など、高待遇の求人を見かけることがあります。もちろん給料はとても大切です。しかし、僕は給料だけで転職先を決めることはおすすめしていません

実際には、

  • 固定残業代が含まれている
  • 診療時間が長い
  • 拘束時間が長い
  • 残業が多い
  • 年間休日が少ない

このようなケースもあるからです。

僕自身も埼玉県内の求人を比較しましたが、基本給だけでは分からない違いが数多くありました。職場選びで後悔しないためのポイントは、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

特にこれから就職活動を始める新卒の方は、ベースアップ評価料のような制度面だけでなく、初任給や手取りの目安も合わせて確認しておくと安心です。

僕の勤務先は基本給だけを見ると特別高いわけではありません。それでも、

  • ベースアップ評価料手当15,000円
  • 残業は月1時間程度
  • 年間休日130日以上
  • 土日は診療時間が短い
  • 自費診療のインセンティブ制度がある
  • スタッフを評価する制度が整っている

このように、給与以外も含めると非常に働きやすい環境だと感じています。

えくうす
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転職するときは月給だけではなく、「勤務時間」「休日」「福利厚生」「人間関係」「評価制度」まで含めて比較することをおすすめします。


現役歯科衛生士として感じること

2024年に初めてベースアップ評価料手当を受け取ったときは、「思っていたより少ないな」というのが正直な感想でした。しかし翌年には7,000円、そして2026年には15,000円へ増え、制度が少しずつ給与へ反映されていることを実感しています。

もちろん、ベースアップ評価料だけで給料が決まるわけではありません。それ以上に僕が大切だと感じているのは、「スタッフへ還元しよう」という医院の姿勢です。

給与だけでなく、働きやすさや評価制度、インセンティブ制度なども含めて、安心して長く働ける職場を選ぶことが何より大切だと思います。


よくある質問(FAQ)

Q. ベースアップとベースアップ評価料は同じ意味ですか?

はい、同じ制度を指しています。正式名称は「ベースアップ評価料」ですが、現場や求人票では「ベースアップ」「ベア」、給与明細上は「ベースアップ評価料手当」と表記されることもあります。

Q. ベースアップ評価料は歯科衛生士全員がもらえますか?

必ず全員が同じようにもらえるわけではありません。医院が届け出を行っているかどうかや、配分方法によって支給額や対象者は異なります。

Q. パートやアルバイトも対象になりますか?

対象になります。雇用形態は問われませんが、事務専従の受付スタッフは対象外とされています。詳しくは勤務先へ確認することをおすすめします。歯科助手にも実際に支給された実例は、こちらの記事で紹介しています。

Q. ベースアップ評価料は基本給に含まれますか?

医院によって異なります。基本給へ組み込む医院もあれば、「ベースアップ評価料手当」として毎月支給する医院、賞与へ反映する医院もあります。

Q. 令和8年度改定で何が変わりましたか?

対象職種が拡大(事務職員、40歳未満の勤務歯科医師、40歳未満の薬局薬剤師、歯科技工所等で従事する者)されたほか、点数自体も引き上げられました(初診10点→21点、再診2点→4点)。2027年6月にはさらに点数が倍増する予定です。

Q. 求人票ではどこを確認すればいいですか?

基本給だけでなく、ベースアップ評価料手当・賞与・年間休日・勤務時間・福利厚生なども合わせて確認すると、より自分に合った職場を見つけやすくなります。


まとめ

ベースアップ評価料は、医療スタッフの賃上げを目的として導入された制度です。歯科衛生士も対象となる制度ですが、支給額や支給方法は医院によって異なります。

僕自身の給与明細では、2024年6月は1,307円だったベースアップ評価料手当が、2025年6月には7,000円、2026年6月には15,000円まで増えました。令和8年度改定では対象職種の拡大・賃上げ目標水準の設定に加え、初診10点→21点・再診2点→4点への引き上げが行われ、2027年6月にはさらなる拡大も予定されています。

もちろん、これは僕が勤務する歯科医院での一例です。しかし、実際の給与明細を公開することで、「ベースアップ評価料は実際にどれくらい支給されるのか」という疑問を持つ方の参考になれば嬉しいです。

この記事のポイント

  • ベースアップ評価料は医療スタッフの賃上げを目的とした制度
  • 歯科衛生士も対象になる(常勤・非常勤・パート問わず)
  • 支給額や支給方法は医院によって異なる
  • 僕の勤務先では1,307円→7,000円→15,000円へ増加
  • 令和8年度改定で対象拡大・点数引き上げ、2027年6月にさらなる拡大予定
  • 就職・転職では給料だけでなく働きやすさも大切

この記事は、2026年7月時点の制度と実際の給与明細をもとに作成しています。制度改定や給与の変化があれば、今後も随時更新していく予定です。


参考・引用